邦訳「仏説大乗荘厳宝王経」第15課

邦訳「仏説大乗荘厳宝王経」はじめに

邦訳「仏説大乗荘厳宝王経」第13課

『仏説大乗荘厳宝王経』第14課は漢文にないチベット文部分のケンポ・ソダジによる解説です
https://drive.google.com/drive/folders/1rDyjzq0tC24UQ8UcL2vEk-in7gmqbU1B
google driveに該当部分のテキストがPDFで置かれていますのでご覧ください。掲載等ご許可いただけているわけではないので該当文章のリンクだけ置いておきます。
ケンポ・ソダジによる解説:『仏説大乗荘厳宝王経』第15課

除蓋障菩薩の説明が終わった後、仏は阿難陀に告げました:
「もしも業報を知らない者が、精舎の内部で唾を吐いたり、大小便をしたりする場合について、今説明しよう。もし常住地で唾を吐く者は、針口蟲の中で12年間生まれることになる。もし常住地で大小便をする者は、ヴァーラーナシ(※9)の大城の大小便の中に生まれることになり、穢れた虫として生まれる。もし常住の歯木(歯磨きのための木)を私用する者は、亀や魚、摩竭魚(魚の一種)の中で生まれることになる。もし常住の油、麻、米、豆などを盗む者は、餓鬼道に堕ち、髪が乱れ、体毛が立ち、腹が山のように大きく、喉が針のように細く、焼け焦げた骨だけが残る状態で、これらの苦しみを受けることになる。もし僧侶に対して軽蔑する者は、貧しい家に生まれ、どこに生まれても体が不完全で、背が曲がり、矮小で、体の多くが病気や痩せ、手足が痙攣し、膿と血が流れ、体が損なわれ、百千年にわたってこの苦しみを受けることになる。」
もし常住の財物を盗む者は、大号叫地獄に堕ちる。そこでの苦しみは、口が鉄の丸に呑み込まれ、唇と歯が断たれ、喉が焼け焦げる。心臓、肝臓、腸、胃が全身が焼けてしまう。その後、修行僧が業の風により彼を吹き飛ばし、死後に復活する。その後、閻魔の獄卒が罪人を引き連れ、彼は自らの業により大きな舌が生じ、その舌の上に百千の鉄の鋤で耕される。この苦しみは何千年も続く。地獄から出た後も、大火鍋地獄に入る。そこで閻魔の獄卒が罪人を百千本の針で舌の上に刺す。業の力で生き続け、火坑に投げ込まれ、さらに奈河に投げ込まれるが、死ぬことはない。このように、次々と他の地獄を経て三劫を経験する。その後、南贍部洲に貧しい家に生まれ、盲目となってこの苦しみを受けることになる。常住の財物を盗むことのないように気を付けなさい!
もし比丘が戒を持つ者であれば、三衣を受け持つべきである。もし王宮に入るならば、第一の大衣を披き、常に衆中にいるときは、第二の衣を披くべきである。作務をする時、村落や城隍に入る時、または道を行く時は、第三の衣を披くべきである。比丘はこのように三衣を受け持つべきである。もし戒を得、功徳を得、智慧を得るのであれば、比丘はこの戒を守るべきである。常住の財物を盗用することは許されない。常住の財物は、火坑に常に住む毒薬のようであり、重い荷物のようである。毒薬は救療する可能性があるが、常住の物を盗用する者には救済の方法がない。
その時、具寿阿難陀が世尊に申し上げた。
「如仏の教えに従って、全てを行い学ぶべきです。もし比丘が別解脱を受け持つならば、よく安住し、世尊の学びの場を守護すべきです。」
その後、具寿阿難陀は佛の足に頂礼し、一周して退去した。その時、諸大声聞たちはそれぞれ自分の本所に退いた。一切の世間の天龍、薬叉、乾闥婆(※22)、阿修羅(※18)、迦楼羅(※23)、緊那羅、摩睺羅伽(※20)、人間や非人間など、すべての存在は佛の説法を聞き、喜びと信仰を持って佛を礼拝し、退去した。

《以下漢文》

爲除蓋障説已。爾時佛告阿難陀:
”若有不知業報、於精舍内洟唾及大小便利等、今爲汝説。若於常住地洟唾者、是人生於娑羅樹中、爲針口蟲經十二年。若於常住地大小便利者、是人於波羅柰大城大小便利中。生爲穢汚蟲。若私用常、住齒木者。墮在龜魚及摩竭魚中生。若盜用常住油麻米豆等者、墮在餓鬼趣中、頭髮蓬亂、身毛皆竪、腹大如山、其咽如針、燒燃枯燋唯殘骸骨、是人受斯苦報。若輕慢衆僧者、是人當墮貧賤家生、隨所生處根相不具、背傴矬陋;捨是身已而復生處、多病痟痩、手足攣躄、而有膿血盈流、其身零落身肉、經百千萬歳受斯苦報。
”若盜用常住地者、墮大號叫地獄中、口呑鐵丸脣齒斷㗁、及其咽喉悉燒爛壞、心肝腸胃遍體燋然;時有苾芻言業風吹彼、死而復活、於是閻魔獄卒驅領罪人、彼自業感生於大舌、有百千萬鐵犁耕彼舌上、受是苦報經多千萬年;於此地獄出已、復入大火鑊地獄。彼有閻魔獄卒驅領罪人、以百千萬針刺其舌上;業力故活。驅至火坑而擲入中;又驅至奈河而擲入中、而亦不死;如是展轉入餘地獄、經歴三劫。是人復於南贍部洲、貧賤家生其身盲瞑、受斯苦報、愼勿盜用常住財物!
”若苾芻持戒、應受持三衣。若入王宮、應當披持第一大衣。若常衆中、應當披持第二衣;若作務時、或入村落、或入城隍、或道行時、應當披持第三衣。苾芻應如是受持三衣!若得戒、得功徳、得智慧、我説苾芻應持是戒。不得盜用。常住財物、猶如火坑常住如毒藥、常住、如重擔、毒藥可能救療、若盜用常住物者、無能救濟!”
爾時、具壽阿難陀白世尊言:
”如佛教勅、當具行學。若苾芻受持別解脱、應善安住、守護世尊學處。”
時、具壽阿難陀、頂禮佛足、遶已而退。時諸大聲聞各各退還本處。一切世間天龍、藥叉、彦達嚩、阿蘇囉、蘖嚕拏、緊那囉、摩護囉誐、人非人等、聞佛説已歡喜信受、禮佛而退。
佛説大乘莊嚴寶王經卷第四

《15課おわり》