酒宴のある日。
酒が入り泥酔してべろんべろんの状態で父は反抗する姉をねじ伏せようと暴力に出た。
髪の毛を掴んで今から引きずり回し玄関へ引っ張り出し、
「言うことをきけないなら、(家から)出ていけ」
と怒鳴りちらした。殴ったりもしただろうか。記憶が飛んでいる。
母は号泣するばかり。
私は恐怖で動けず立ち尽くした。
髪の毛は散乱し、大の字で泥酔の父は玄関に横たわり、姉は多分部屋に逃避。
誰も守られることなく、誰にも認められず、事件の渦中の部屋の真ん中にぽつんと、傍観せざるえなかった。
私は泣いていたのか恐怖でおののいていたのか一切の感情が思い出されない。
以来、誰からも守られなかったことは「捨てられる」恐怖に変わり、怯え育つ事になった。
姉の家出が中学二年生であったことから、8歳下の私が六歳の時の出来事だということになる。小学一年生、未だに卒園式やら入学式やら記憶に全く思い出されない。ぽつんぽつんと負の記憶があるだけだったり、記憶障害があるか、よっぽど楽しくなかったか、よっぽど大事ではなかったか、であろう。
兄?兄は我関せず、知らんぷりだったようで、部屋でひっそりしてましたわ。
この後姉の家出を兄の受験の失敗の原因と逃げをうつことになる。この頃から残念な人だ。父を見習って私にも暴力で事を片付けるようになりましたかね。あぁ、そうして、更に家での逃げ場がなくなっていったんだわ。
一見するとすべて姉のせい、父の酒のせい
《第0感情》
- 「暴力やめて」
- 「私を認めて守って欲しかった」
- 「私は私を捨てないから、私であっていいんだよ」
- 「私はここにいていいんだよ」
- 「辛かったね、私が私を守るから、もういいんだよ、どうか心を閉じないで」
さらには、暴力・理不尽に対する抵抗の現れが記憶の一番目となったようだ